よみかき勘定

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「マーケティング不要」論

先日、浜松市にある写真家、若木信吾さんのショップ「BOOKS AND PRINTS」のあるKAGIYAビルで行われた、TOKYO STYLEなどでよく知られる都築響一さんの「独居老人スタイル」の刊行記念イベント、「うなぎパイも電気羊の夢を見るか?」に参加してきました。

 

タイトルにまで「うなぎパイ」って付くくらいですから、会場に行くまで元勧銀横を通って、当時の支店長の小椋佳に思いを馳せつつ「うなぎのげんきこんきゆうきほんき~」って歌ってたらあっという間に到着。

当日はBOOKS AND PRINTSさんのある、KAGIYAビル4Fにで開催されました。到着したら、部屋いっぱいのいす。40名定員でしたが、見た感じ60人近く入っていたようです。

最初、若木さんが都築さんをご紹介したら、そこから都築さんが2時間話通し。浜松というヤンキーと親和性の高い土地柄から、現在鞆の津ミュージアムでされているヤンキー展の話、今されているスナックへの取材だったり、「アサヒカメラ」なんかで選に漏れた人たちを拾い集めた話とかで、全然終わってほしくない位のボリュームでした。

あまりにも面白くて、都築さんの他の出演の番組なんかを探してみたらDommuneの書き起しなどをされているmiyearnZZ Laboさんで、既刊の「東京右半分」に言及されている記事を発見。

都築響一)まあ、その通りですね。マーケティングっていうのは絶対にやっちゃいけないことなんですよ。だってマーケティングっていうのは、市場調査でしょ?要するに。調査するってことは、なにかあるものじゃないと調査できないわけですよ。

(柳瀬博一)もうすでにあるもの。

都築響一)あるものしか調査できないでしょ?そしたらそれは誰かがやってるってことですよね。だから、人と違うことをするには、人とおんなじことをしても儲かるには、あとは資本の差ですから。人と違うことをして生きていくためには、マーケティングっていうのはいちばん外れたやり方ですよ。やっちゃいけないこと。

(柳瀬博一)だから、究極のマーケティングはマーケティングをしないことであるってことですよね。

 

都築響一が語る東京右半分 マーケティング不可能な右半分の魅力

2012年3月 TBSラジオ『柳瀬博一Terminal』に都築響一氏が出演されたときの対談 

 

この辺は、さすがエディターだなあ、と思ってみていたのですが

こちらもたまたま開いてみた「小鳥ピヨピヨ」さんでも、

 

秋元康のものの考え方が良すぎて泣いた:小鳥ピヨピヨ 話。

納豆のまま、「これ分からないとダメだよね」と言いながら、我々日本人は秋葉原を中心としておいしく納豆を食べているんです。その納豆の映像をYouTubeなどで、みんな見ていくと、だんだんみんな「納豆おいしいんじゃないか」という状況になってくる。だから、僕は今、日本はもっと自信を持ってこういうものがうけるんだと(出した方がいい)。つまり、マーケティングしない方がいい。マーケティングすると、そのマーケティングに負けちゃう。やってみなきゃ分からないという方が多分いいんじゃないかなと思いますね。

「分からないものが一番いい」――秋元康氏のAKB48プロデュース術 (1/7) - Business Media 誠 

 

と、オリコン1位になるグループをバンバン創出する敏腕プロデューサーと、オリコン食べログにすら上がらないものを ひとつひとつ地方もまわって広い歩くサブカルエディターが、まさかの同じ「マーケティング不要」発言。

秋元さんのインタビューも、2011年の11月、都築さんのラジオ出演も2012年の3月なのでほぼ同時期です。

 

都築さんはエディターということもあってgoogle検索で出てきたら負け」とおっしゃるくらい

「人と違うことをするには、人とおんなじことをしても儲かるには、あとは資本の差ですから。人と違うことをして生きていくためには、マーケティングっていうのはいちばん外れたやり方ですよ。やっちゃいけないこと。」

とのことなので、秋元氏の言う「マーケティングしないほうがいい」というのとは意味が違いますが。

 

だって、ねえ、突っ込む資本が違うもの。

 

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