【映画】かあちゃんに贈る歌|葉七はなこ監督
突如元気だった母親が病に倒れ要介護となり在宅介護をすることになった監督自身の経験をもとに作られた脚本の映画です。
ストーリーとしても平易で、時間も短くテーマもわかりやすい一本。
ただ平易すぎて学校教材のような印象を受けました。
私も母を癌で亡くしたので、死に化粧のシーンなど胸に迫るものはありましたが、それは経験者の悲しい思い出を重ねるだけのもので、失礼ながら映画の内容について共感や感動したものではない。
もうちょっと、当事者としての葛藤だったり、介護疲れで投げ出したかったときとか、介護に疲れて誰かに八つ当たりしたときの心情をリアルに描いてくれるともっと迫ってくる内容になったんじゃないかとちょっと残念な気持ちになりました。
震災でも災害でもそうですが、介護も「当事者」にならないと、何をどうすればいいのかわからないという事実。介護申請の窓口がどこかもわからないし、そもそも自宅介護で何を揃えればいいのかもわからない。「介護はいつくるかわからない」というものをエンターテインメントを使用して訴えるという視点は支援したい部分ですので、引き続き作品を作り続けていただけたらと願っています。
これを見に行ったきっかけは、日本介護アロマ協会のみもりひろこさんがトークイベントに出演されるから、という理由から。
彼女も「介護する人をえがおにしたい」という信念のもと活動を続けています。
明日は我が身、だけどいざ起こったそのときに何をどうすればいいのか、今のうちに調べておこうと思います。