よみかき勘定

読んだり見たり行ったり来たりしたことを綴ります

【読書】株式投資とソーシャルファイナンス

  「投資」という意味ではひとくくりになるけれど「利己」と「利他」の意味合いから投資する「お金の使い方」が異なる2冊を併読してました。 

臆病者のための株入門 (文春新書)

臆病者のための株入門 (文春新書)

 

 「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」で信者も多い橘玲氏の著書です。

株式投資には全く興味がなかった私ですが、以前このブログにも書いた「読書でかしこく生きる。ビジネススキル探しを超えて」で書かれていたので、手にした1冊。

  

yomikaki.hateblo.jp

株、というものが証券会社を通さず直接投資できるようになって、やってみたいけどでも何をどうすれば、何をどう読めばいいのかわからない、という入門書ではありますが、基本的には「株に投資して損せずリターンを得るにはどうしたらいいか」というビビりの人向けの内容でもあります。

そら自分の貯蓄を使うわけですから、サラリーマン一般社会人には「負けられない賭場」ですものねえ。

期せずして、同じタイミングでこの本も見かけて手に取って読んだところ、相対的だったんで並べてみました。

 

ソーシャルファイナンスの教科書―――「社会」のために「あなたのお金」が働くということ

ソーシャルファイナンスの教科書―――「社会」のために「あなたのお金」が働くということ

 

 

『 ソーシャルファイナンスの教科書』著書の河口真理子さんは大和総研 環境・CSR調査部の首席。アダムスミスの国富論だけでなく、道徳感情論もの内容も紹介されていて、文中にはコミュニティ・ユース・バンク momo のご紹介も。

www.etic.or.jp

この2冊がすごく対照的だったのが、「株で儲けたい」と思う人が多く手に取るであろう前者は「株はバクチ」というのに対して、ソーシャル(社会的意義のあること)に投資しなさい、という説明をとくとくと説いている後者は「株はバクチではない」と書いていること。

特に、今までの顧客の例でアナリストが下を巻くほどに想像以上のリターンを得ている人の例が書かれていて、その内容というのが

・株券を発行している企業の研究をする

・半年以上様子を見て下がらない株に手を出す

・手に入れた株は、貯蓄同様必要な時まで手放さない

・上がったから売る、下がったから買うなどむやみに売り買いをしない

という、かなり基本的なことをされている方でした。

現代の、個人投資家も参加する市場で1時間の間に株が乱高下するような即物的な株式投信ではない方が得をする。当然と言えば当然です。

 

ただ、株というものがどうしても前者のように「バクチをうつ」と考える人が群がることで企業の経営に影響が出る、BtoCであればサービスにまで影響が出る。

健全ではないなあ、とは思ってしまうわけです。

 

後者は株の売買という「損益」というものではなくて、前述した「成功者」の例を出しつつ、「投資」と、それから得られる「徳」のようなものを説いています。先日読んだ本でも「お金は交換可能な物質だけれども、徳は積むことでしか得られず、買えない」と書かれていましたが、ソーシャルビジネスや世に必要とされる社会的起業家などに投資することは、これはまわりまわって「徳を買う」事になるのかも。

特に女性や、これから隠居生活に入られる方には相性のいい投資方法かもしれません。