よみかき勘定

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【読書】もっと早く読めばよかった。スリランカの悪魔払い|上田紀行

 読み終わったのは結構前なのですが、書き記すことも出来ないまま今に... 

スリランカの悪魔祓い (講談社文庫)

スリランカの悪魔祓い (講談社文庫)

 

 

以前、株式会社エバさんのエバシンポジウムにて著者、上田さんが「ぼくの著書で教科書教材に指定された『生きる意味』よりも、こちらの方がおすすめです」とおっしゃっていたのでそのシンポジウムにて購入。

サイン入りでした。(売れねえ←心の声)

 

内容は、著者の上田さんが実際にスリランカの地方で悪魔払いを体験して、そこから得た内容から、人として、ムラの中で「生きる」ことの関係性について書かれています。

 

この本について紹介したいことはたくさんあるので箇条書きで

 

スリランカの悪魔払いとはいえ、都市部では「あの迷信信じるの?」と鼻で笑われる(1990年代)

・悪魔払いの商売している人たちもあがったり

・年代によっては、医学的に催眠療法をしても悪魔払いの方が効果があったりする

・悪魔払いの儀式の最中は村中みんなで大宴会

・「あの人の性格が悪かったのは悪魔のせい」であって、その性格の悪さは個人に由来しない。なんていい国だ。

・悪魔払いをしてもらうことが自身のカタルシスだと自覚していて、みんなに構ってもらうために「悪魔が憑いた」という周期を持つ人もいる

 

すごく共感できたのが

「日本に帰ってきて大学の食堂で人と話をすることなく、給茶機のお茶のボタンを押す。じゅぶじゅぶとお茶が落ちてくる。なんて力がないんだ!」

というくだり。

 

「人間」ということばのとおり、人として人の間に生きているのに、そのコミュニケーションすら省略する。それこそ生きる力がなくなって当然だ、ということです。

 

なので、鬱だったり、生きる意味見失ってしまう人は、どうにかしてコミュニケーション取らないと生きていけない、言葉の通じない海外の田舎に旅に行くのが、荒療治ではありますが自分を蘇生させるのに有効な手段かもしれません。

 

旅に出ようよ、旅に。

 

ご本人がおっしゃるとおり、『生きる意味』よりも生きる意味に対して肉薄する内容で、 生きる意味や具体的内容について迷っていらっしゃる方におすすめです。

 

 

生きる意味 (岩波新書)

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 ついでにはっとこ。

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