よみかき勘定

読んだり見たり行ったり来たりしたことを綴ります

【読書】中曽根さんがなんですごかったのかがわかる。|池上彰が世界の知性に聞く どうなっている日本の経済、世界の危機

ども。経済学知識ゼロの落ちこぼれMBA生です。

 

 少しでも経済の知識をつけようとば頑張ってるふりをするので精一杯ですが、そんな虎の皮の1冊。

 

2012年、2015年のインタビューと、書き下ろしの掲載です。

ピケティ先生の「親は選べない。格差の問題を解決するのは我々市民であって、世の中を良くすべきために努力し、最善を尽くすべきだ。私の本はそのために書いた。」という力強い言葉。ギリシャ破綻におけるドイツの立場が浮き彫りになったことを教えてくれたトッド氏。「日本的経営」について語る際、日本の重役達の汚職は個人利益からでなく会社の存続を望むための行動であるという欧米との比較を語られる岩井氏、中曽根さんの総理時代の実績、オイルショックの実際や、田中角栄の人の心を掴む様と細やかな心遣いを語る小長氏、「鉄は国家なり」が崩れていく様を見ながら支えて今井氏、プラザ合意の裏にあったことを語る大場氏、消費するためのデパートでなく、街やコミュニティまでを百貨店中心に考えていた堤氏、「失われた20年」を日本の外から見て語る八城氏、ネットアイドルだった塩爺の本業の詳細まで。今経済学を学びたい学生さんが読むとわかりやすいと思いますが、小泉政権があと3年続いたら、もっと日本は違う意味で変わっていたのかもしれない、と思うと本当に時勢の流れなんてわからないものだなあと感じるわけです。

ちょうど私が幼かった頃から20代に至る、政治経済なんて全く興味もなく関わりもないだろうと思っていた時期のことが、MBAで学び始めたおかげでうっすらとわかるようになってきて、今の20代の方が読むのに適した内容じゃないかなと思います。

何よりも面白かったのは、ピケティ先生がアメリカのMBAで学んだ際「数字遊びで机上の空論をしているようにしか見られない」と全否定してること。現状大学院でもハーバード、メロンカーネーギーなど名だたる米系のビジネススクールを卒業されいてるご立派な先生方からご教授受けてるのですが、なんだか違和感というか、どうにも馴染めなくてものすごしんどいのをそのまま表現してくださっていて、米系と欧州系では全然違うんだなと実感した次第。英国系の大学出身の先生の授業を受けた時にも感じたけれども、欧州(というかフランスが特に)はキリスト教の信条もあるけど、その前に大学で哲学を必ず学ぶので、それが下敷きにある気がしています。レヴィ・ストロースとかディケンズとかの単語出てきたの、その先生の授業の時だけだもんなあ。

 

そんなわけで自分もMBAには違和感を感じつつも、後期継続と相成りました。

さー、卒業できるかな。