【読書】歴史は繰り返さない|暴政
どうも、落ちこぼれMBA生です。
後記授業もやっと終わり、読書の時間が取れるようになってきたので本屋で立ち読みなんぞもしています。好きな本が適当にそれぞれ手にとって読めるなんてなんて極楽。
やっと読めた1冊「暴政」(ティモシー・スナイダー)
ちょうどトランプ政権が誕生した後に日本でも発売され、書評でも高く評価されていたので気になっていました。時期も時期の折だったので、読む前はアメリカの大統領の歴史についての本かと思ってました。ティモシー・スナイダー氏自身がナチスやホロコースト、スターリンあたりの研究者だったんですね。不勉強でした。
冒頭から気になった一文は、このブログのタイトルにも入れた「歴史は繰り返さない」でした「しかし、歴史から学ぶことは多くある。繰り返さないためにも、今こそ歴史から学ぶべきではないか」と。明らかに、意識されているとは感じました。
記載している内容は主にはそんなナチ政権下での第2次世界大戦でのものではありますが、ナチ党員ではなく、市民が何をしたのか、権力政権下においての集団心理とはどういうものかが書かれており、市民が隣人を敵と判断し、死に追い込むのは隣人であった、という事実でした。
・ユダヤ人の経営する店舗に印をつけることで市民は「敵」とみなし、利用をしなくなる、店舗に危害を加えるなど、その店自体が営業できなくなり、その場での生活が困難になる。
・隣人であったユダヤ人が消えていっても問題視しなくなる。
など。市民の愛国心がヒートアップするほど、象徴とされる「敵」への敵意や殺意も増し、彼らの命すら抹殺しても問題なくなるのでは、と感じられてしまう。トランプ政権へのアメリカを懸念して書かれた内容とはいえ、どうしても今の日本とも重なります。
人の感情というものは移ろい周りに感化されやすいもの。その人間の心理を知る読書として、またこの「暴政」で書かれた章を保管する内容として、以下の本が挙げられていました。
□ 存在の耐えられない軽さ(ミラン・クンデラ)
□ ここでは起こりえない(シンクレア・ルイ)
□ プロット・アゲインスト・アメリカ(フィリップ・ロス)
□ 政治と英語(ジョージ・オーウェルのエッセイ)
□ 反抗的人間(アルベール・カミュ)
□ 囚われの魂(チュスクワ・ミウォシュ)
□ 力なき者たちの力(ヴアーツラフ・ハヴェル)
□ 保守-リベラル-社会主義者で考えるには(レシェク・コワコフスキ)
□ 逆境を逆手に取る(ティモシー・ガートン・アッシュ)
□ 普通の人びとー第101警察予備大隊とポーランドでの最終的解決(クリストファー・ブラウニング)
□ 知識人の責任ーアルム、カミュ、アロンとフランスの20世紀(トニー・ジャッド)
□ 何一つ真実はなく何事もありうる(ピーター・ポマランツ ェブ)
1冊でも、時間作って読みたいなあ。
この「暴政」自体、トランプ政権に危機を感じた著者が、その前の著書「ブラックアース」を下敷きに書かれたそうです。本の装丁から、結構時間かかるかなと思いましたが思いの外読みやすく、1時間程度で読めると思いますので、是非一度手に取って見てください。
この本の下敷きになっている「ブラックアース」も読んでみたい。
- 作者: ティモシー・スナイダー,Timothy Snyder,池田年穂
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2016/07/16
- メディア: 単行本
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