よみかき勘定

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【読書】ユニクロ横田氏ルポ2題:「ユニクロ帝国の光と影」「ユニクロ潜入1年」

なんか放置してたらブクマのスターの影響か訪問いただいている方が多いようで。すみませんすみません。無職落ちこぼれMBA生です。学校以外にやることないのに勉強が進まないのはなぜだ(ただ単にやる気ないだけ)

 

学校の課題でユニクロさんのお題が出てたので、あえて柳井氏の著書よりもカウンターかますつもりで横田氏のルポ2題をまとめて読んでみました。

 

2013 年の「ユニクロ帝国の光と影」

こちらはユニクロに関わる人たちにインタビューを重ね、実証した内容のルポタージュ。 中国の工場の状況だったり実際に勤務されている方からのインタビュー、また柳井会長&社長の著書を織り交ぜて書いていて、学校から課題で出されたケースの読解の下敷きに副読本として読むにはちょうど良い一冊。柳井氏が社内でこだわったことや動向、社員からの反応やそれに対してSPAへの管理体制や工場に求めるクオリティ、工場従事者の環境など一時期週刊誌で叩かれまくった内容が記載されていました。でも、これ掲載されたことで売上って影響したかな?という感想。

 

で、その次の潜入ルポに続きます。

2017年の「ユニクロ潜入一年」

こちらは前回のルポを経てから、実店舗に潜入した内容が書かれています。

ネタバレになりますが、店長にかかわる所の苦労がかかりリアルに描かれていて、売上がかなりぎゅんぎゅんに求められる部分、店舗の整理整頓や運営状況など抜き打ちで監査が入るなど、読んでいてもぞっとする内容があったり。現在の接客業では結構ある話なんですが、セールの日程前後にどうしても人が足りず「入れる人!急募!!」などのLINEが飛び交う、勤務時間延長を求められる、それでも特別に手当がつくわけでなく時給900円据え置き...(2016年時点なので最低賃金がまだ低いです)など、我々が持つユニクロ「従業員を大切にする」のイメージとはなれています。

恐ろしいのは、この「ユニクロ潜入一年」の中に「ユニクロ帝国の光と影」で協力者と推察された人物が社内で魔女狩りに遭うという様でした。本社から、「ユニクロ帝国の光と影」で協力したであろう人物を想定し、その人物に対して自白を強要したとか。その彼は濡れ衣で退職に追い込まれた(退職したかった?そうなのですが・・・)とのことでした。本1冊のために、ユニクロが『揺れた』というのが意外ではありましたが、印象的だったのは、授業の中では、ユニクロで働いている友人がとてもいきいきと楽しく働いている、いい企業なのだなとこちらまで伝わってくる、という意見も出て、この「ユニクロ潜入一年」で描かれているスタッフ像と全く重ならない、という点でした。ディスカッションで意見してくれた方は中京地区であったため、潜入一年で描かれるかなり忙しい職場とか、ビックロという売上をフロアごとで区分しないと結構社内的にアレな事情もある場所だからだという差ももちろんあると思います。とはいえ、同じ社内でもこれだけの差。

 

横田氏、これのおかげで株主総会から出禁を食らっているらしく、そのあたりの経緯も「ユニクロ潜入一年」には記載されています。ユニクロ&柳井氏の財力から見ると横田氏のようなルポライターなんて思うところがあれば一捻りなんだから、もうちょっと懐の深いところも見せて欲しいところではあります。

 

ユニクロ潜入一年

ユニクロ潜入一年

 
ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)

 

ルポだけ読んでても偏るので一応流し読みしたこれも。

 

ユニクロマーケティング方式―大量生産・大量販売の市場独占戦略

ユニクロマーケティング方式―大量生産・大量販売の市場独占戦略

 

  

別な話ですが、ファーストリテイリングの社内英語化について楽天との比較も出た際、ユニクロの営業必達もかなり厳しいのですが、楽天の三木谷氏のコミットメントへの執着もかなりなものなので、急成長する企業ってやっぱり●通信のような営業ノルマ必達!っていう課題を掲げた方が着実に成長するんだなと当たり前ながら思った次第です。

 

中小企業に足りないのってそこだし、そこに必達するための執念みたいなものがある企業が、大きく成長するのかなあと改めて感じた次第。PDCAをちゃんと回そうぜ(期限切って)