読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

よみかき勘定

読んだり見たり行ったり来たりしたことを綴ります

【読書】男性論 -ECCE HOMO- |ヤマザキマリ

よみよみ かきかき

ライフネット生命、出口会長のブログから早速手にしてみた1冊。

media.lifenet-seimei.co.jp

 

婚活中、というのもはばかられるような年齢になった今でも、既婚男性に口説かれたり誘われることも多く、しかしながら自分の世界を手放さずに結婚したいけど妥協もできないしでも親に孫も求められてそろそろ考えなきゃな〜なんて20代の女性を隙あらば狙う30代後半〜40代独身男性の都合の良さも目の当たりにして「男なんて!!」となっている自分の視点が変われば…なんて淡い期待を抱いて読み始めたんですが、ますます現実を知って自分が殻を張りそうな勢いになってしまいました。

 

ヤマザキマリさんがこの本の中で挙げる男性像は、いわば「無欠」の男性。

まずはローマのお話から始まるこの本。私の通っていた高校は、受験をしてまで進学することをあまり推奨していなかったせいか授業の内容の進みも遅く、世界史の教科書でずーっと「世界三大文明とは」のあたりから「三大発明は火薬・羅針盤活版印刷」のあたりでうだうだと終わっており、美術系だったのにルネッサンスも絵画や芸術に触れるのみであまり深い学習をしてこなかったので、ローマ帝国について簡単にかいつまんで歴史知ることができる、わかりやすい内容でした。この本で紹介される男性は多岐に渡ります。ローマ皇帝であったり、安部公房であったり、花森安治であったり。それぞれ理性的であったり人間味があったりして、でも理数系と文系を併せ持つマルチな才能の男性ばかりです。

 

ただ…時代の違う骨太な男性について、ヤマザキさんが歴史上の素晴らしい男性にどんな風に恋に落ちているのかを読み進めるが上に、なにかにつけ人のせいにして、女性のせいにして自分の世界に閉じこもる現代の日本男性のギャップを感じて、改めて諦めざるを得ないような空気を感じることに…。

その男性論の章の締め括りにあった「オスは狩りに出る。家で飼ってた雄猫が、通りを挟んで向かいの建物にかわいいメス猫をいるのを見つけた途端、高層階ということも忘れて飛び出し落ちて死んだ」の一節で爆笑してしまいました。

ほんと、男の人ってそういうもんですよね…。

 

女性論についても語られていますが、ヒラヒラの服装にしろ完璧なメイクにしろ、甲高い声で無知を装う言葉にしろ「なにしろ日本の女性は男性に媚びすぎ」という厳しいお言葉が書かれておりました。

いや、専業主婦になりたいと、夢見る女子は20代前半までかと思います。20代後半で「あれ?結婚て親ができてるから舐めてたけど、思うほど簡単じゃないぞ?」という現実に気がつき、特別なんの取り柄もない自分が人並みのお勤め人と結婚できるようになるのに、年齢が上がるにつれて現実味が増す専業主婦の狭き門と、共働きや育児と仕事との両立を視野に入れて生活力のある男性を血眼になって探し、ママちゃんに庇護されてなんでもやってもらう、女性に歓待してもらうのが当たり前の男性に、なんとか受け入れらるよう「ヒラヒラした服」であの手この手でステディな関係に持ち込もう、プロポーズしてもらおう、と必死です。

わたしの周囲の働く女性は一人でも全く自立できるし一生生活もしていけるはず。でも子供を産んで家庭を築くための「結婚」をするためには、どうしてもパートナーが必要なのでそんな受け身の男性の所で「俺が選んだ」というテイで男を立てた上でプロポーズまでさせてあげなきゃいけない。相手の気まぐれに翻弄され、二度、三度の挫折を味わっている30代の婚活女子を何人も見ています。

そんな受け身で自分の時間軸とプライド、社会的地位のみで自分を推し量り、でもプライドを捨てられず、20代前半で自分が全て上から物が言える無難な相手で手を打つ日本人男性に対し、諦める日本人女性も見切りをつける日本人女性もたくさんいます。

 でも「だからといって国際結婚に夢を見るな」(当然ですが)ともおっしゃる。

いや、どーしろっちゅーの(笑)

女性から男性を変えていくことはとても大事だとは思うのですが、高齢出産も珍しくなくなった世の中とはいえ、同じ女性として、やっぱり出産までのタイムリミットを抱えた女の子たちが「ヒラヒラした服」で最短ルートを狙うのは、致し方ないことだとは思ってしまうのです。

 

著作自体は、テルマエ・ロマエの映画原作使用著作権が100万円発言で話題となったのちの発行だったこともあり、文末にそのことについて触れられています。

わたしはそのころあまりヤマザキさんの著作や発言を拝見していなかったので存じ上げなかったのですが、こうして詳細を拝見するにつけ、日本の慣習を、海外に住む「同じ日本人」に持ち込んでしまうのは、あと20年くらい続きそうだな、と感じてます。

ローマ帝国も、侵略と拡大を続けながらも、周辺民族や領土となった先の民族とうまく調和したり共存するための政策を持ち、1000年続いた。発展するには「外交」が必要、とこのヤマザキさんの著作を紹介されたライフネット生命の出口会長もよく口にされています。日本もそういうステージに来ているはず。

なので、日本の男性には海外から流入する男性に日本人女性を娶られてくという危機感を感じて、もう少し変わってほしいなあ、なんて夢想する次第です。

 

男性論 ECCE HOMO (文春新書 934)

男性論 ECCE HOMO (文春新書 934)

 

 でもね、マリさん。わたし、「常に語らう相手」が見つかるまで、婚活頑張れるか自信ありません。