よみかき勘定

読んだり見たり行ったり来たりしたことを綴ります

【シンポジウム】綾戸智恵さんの人生の覚悟の太さ

数年ぶりに参加させていただいたエバシンポジウム2015

今回はエバ会長、そして司会進行の文化人類学上田紀行さん二人が病に倒れ復帰した直後、またゲストの綾戸智恵さんはご自身のお母様の介護真っ直中、というリアルに「いのちの重さ」を感じられるトークイベントとなりました。

 

コーディネーター上田紀行さんの講演。

何本かの締め切りを抱えていた深夜に、突然左半身が麻痺してしまったため、救急車を呼ぶところから、実際に救急車に乗り、検査入院して退院するまでのお話を中心に、ご自身の書著「生きる意味」から現在の若者の「自身のなさ」についてお話。。。かと思いきや、今の奥様(NHKアナウンサーの武内陶子さん)との馴れ初めから、エバ会長との馴れ初め、「そう思うと、感謝しかない」という出来事についてお話されました。

離婚がきっかけで東京を離れたため奥様にお会いしたきっかけが生まれたり、エバ会長とは、当日のパネリストの福田俊介さんの穂高養生園で同室だった際、エバ会長が深夜にビール缶を開ける音がきっかけで宴会がはじまり、それからの縁だったり、という(※穂高養生園はアルコール持ち込み禁止です)興味深いお話だったんですが、その後の綾戸智恵さんのお話が強烈すぎてほぼ忘れました。

 

そしてメインのパネルディスカッション 

ジャズ歌手の綾戸智恵さん、穂高養生園福田俊介さんを迎え、先ほどの上田さん、エバ会長を交えたメインのパネルディスカッションが始まると、綾戸智恵さんが2分も黙っていられない性分のためステージ上の皆さんを差し置いてほぼ一人語り&インタビュー形式になってしまいました。

今回は事前のお知らせで「綾戸さんは歌いません!」と注意を流すほど、歌を期待してくるお客様に対して慎重だった告知もなんのその、綾戸さんのトークで皆さん満足して帰られる内容でした。

 

その中でも、大変心に刺さる言葉のいくつか。

 

・泡となる幸せと、血肉になる苦しみの先に、死がある

・納得の中に、妥協もある

・親は越えられない

(上田さんの「男って種しか植えつけられないし、自分の子供っていう保証がないですよね。父親の威厳ってなんだろう」という発言に対し)

・男の人はそれだけで立派なんやから!

・助けてというのは大切、助けられる自分であることが必要。

 誰かを助けたり優しくしたりしたから助けてもらえるんやで

・人間は悲しいかな、利益のない人間とは話しませんのや

 

いろいろ人生を経てきた綾戸さんの言葉に、皆さん背筋伸びる伸びる。メモるメモる。

・親は越えられない

綾戸さんのお母様もまた一枚も二枚も上手の方で…

もうそんなにたくさん食べられないお母様が、お孫さんに向かって「あんたいくつや、なんや私の1/4も生きとらんのか。それやったら私はあんたの4倍うまいもん食ってる。私の方が得や。」とか言ってみたり、「彼女できたか」って尋ねてみたりとか。まーなんというか、棺桶入るのが近いからっていう余裕からか発言が自由。言ったもん勝ち。

 

・男の人はそれだけで立派なんやから!

旦那さんが再婚するときに綾戸さんに電話をしてきたときのエピソード。

なんでも綾戸さんに再婚の話しは最後まで出来なかったそう。なぜなら「チエは僕が再婚するなんて知ったら自殺してしまうかも」という自意識過剰からだったらしいのですが、再婚の知らせの電話を受けた際綾戸さんは「それはよかった!おめでとう!!」と祝福してくれるのを聞いて、卒倒したそうです。

男性は必要とされている、と考えることで偉そうに降るま…いや、威厳を持って振る舞い、生きていける生き物なんですね。この後に、上田さんに対して「男の人は立派なんやから!それだけでええやん!」って言葉を放たれていたお声が本当に印象的でした。

もうね、それがわかってたら私も結婚できてたかもしれません。いや、無理か。

 

最後には持ち込んだCDを「きょうぎょうさんCD持ってきてます、後でサイン入れて販売しますが、皆さんが買うてくれたらそのぶん名古屋のうまいもんをぎょうさん買って帰られるんで、皆さんどうぞ宜しくお願いしますー」という宣言通り、持ち込まれたCDを全部売り切り(綾戸さん本人から呼び込みして売ってた)そのまま名古屋ラブリーのライブに向かわれたのでした。

 

もうね、かなわんわ、このおばちゃんのパワフルさ加減。

 

 

【映画】かあちゃんに贈る歌|葉七はなこ監督

突如元気だった母親が病に倒れ要介護となり在宅介護をすることになった監督自身の経験をもとに作られた脚本の映画です。

 

okuruuta.com

ストーリーとしても平易で、時間も短くテーマもわかりやすい一本。

ただ平易すぎて学校教材のような印象を受けました。

 

私も母を癌で亡くしたので、死に化粧のシーンなど胸に迫るものはありましたが、それは経験者の悲しい思い出を重ねるだけのもので、失礼ながら映画の内容について共感や感動したものではない。

 

もうちょっと、当事者としての葛藤だったり、介護疲れで投げ出したかったときとか、介護に疲れて誰かに八つ当たりしたときの心情をリアルに描いてくれるともっと迫ってくる内容になったんじゃないかとちょっと残念な気持ちになりました。

 

震災でも災害でもそうですが、介護も「当事者」にならないと、何をどうすればいいのかわからないという事実。介護申請の窓口がどこかもわからないし、そもそも自宅介護で何を揃えればいいのかもわからない。「介護はいつくるかわからない」というものをエンターテインメントを使用して訴えるという視点は支援したい部分ですので、引き続き作品を作り続けていただけたらと願っています。

 

これを見に行ったきっかけは、日本介護アロマ協会のみもりひろこさんがトークイベントに出演されるから、という理由から。

彼女も「介護する人をえがおにしたい」という信念のもと活動を続けています。

 

www.jcaa-net.or.jp

明日は我が身、だけどいざ起こったそのときに何をどうすればいいのか、今のうちに調べておこうと思います。

【読書】読書で賢く生きる。ビジネススキル探しを超えて|中川淳一郎 漆原直行 山本一郎

おはようございます。

先日「はよ読みたい」って言っていた1冊、やっと手にとって読み始め。

もともとこの本の上梓のきっかけとなったのは「ビジネス書ぶった斬りナイト」という2012年年のイベントからだったそうなのですが、私もそんなビジネス書の潮流に流されて自分を高みに持って行こうなんて野望を抱いていた衆愚の一人であったわけで、ものすご身につまされるわけです。読んだ読んだ勝間和代とか神田昌典とか本田直之とか。

 

ただ、どの人の著書読んでも、新しいビジネス作家の本を読んでも、だいたい書いてある内容が一緒で、どいつもこいつも「自己投資のためにちゃんと本買って読め」なんて言ってるのを鵜呑みにしてきちんと購入しては付箋貼って読書会に参加していたりしていたものの、自分の周囲でも、職業が立派な方からそうでない方まで、また人柄的に立派な方から別にそんなとりたてて書くこともなくね?っていう感じの方まで、ビジネス書を書いたり、一般の書店並べられたりし始めたりしていて、あれあれ?本って一般流通に乗せるのっていろいろ大変なんじゃないの?半自費出版みたいなもんで出してるのみんな?っていうビジネス書のカラクリとかも見えてきて、こんな私でもビジネス書離れし始めてたのが、上記の「ビジネス書ブッタ斬りナイト」が始まったあたりです。

 

私が気がつくくらいだから、多分相当に飽和状態だったんでしょうね。

ビジネス書出版界隈も、書評ブログも、セミナー講師も。

 

んで、そんな2012年に気がついて、ビジネス書や読書周辺の出来事で「気持ち悪っ!」って思った感情が当時と同じように蘇ってきたので、メモ程度にかきかき。

 

[感情その1]ビジネス書 読んでる人が気持ち悪い

読書会、何度か参加しましたよ。

いろんな方との交流も含めて、自分が求めている答えや共感が得られるのかなーと思って。なんですが。なんですけども。

私が参加したところも偏っているのかもしれませんが、本の読み合わせがほとんど。

例えば「この本のこのくだりは〜〜っていう本でも書かれていて」的な原典引用とか、実際の事例とか、そこから派生する世界の広がりを期待していったら

 

どいつもこいつも課題本しか読んでねえ。

自分がどこを読んで感動したとかこう思ったとか、感想しかねえ。

 

ビジネスマンの皆様、お時間ないのはわかりますよ。ええ、ええ、課題本に付箋貼るので精一杯ですよね。 でもそんなんだったらブログやTwitterに書いて共感してくれる人だけで話ししてればええのに、と思っちゃう。

先日も、以前ちょっと関わりのあった作家さんが参加されるという読書会に参加してきましたが、なんかあんまり変わってない。コミュニティが熟成されている感じがして、居心地悪く、交流会も参加せずそそくさと帰ってきました。

またしばらくこれ参加しねえな。

 

[感情その2]ビジネス書 書いてる人が気持ち悪い

2010年前後から知り合いが本を出されることが多く、まあ、お付き合いもあったりして購入したり出版記念パーティに行ったりすることもあったんですが、正直身内ばかりでご挨拶程度で帰ってきたことが多いです。

もちろん、いいご本もありますし、著者の方がきちんと意思をもって何冊も上梓されている方もいらっしゃいます。でも、「内容他で見たことあるから、これ世の中になくても別にだれも困らなくね?」という本も実際あります。

 

じゃあなんで出版されるかというと

「ニーズがあるから出しましょう」という出版社と

「本をきっかけに営業の幅を広めたい」という作者。

買っちゃう人がいるから出版される。買ってくれるという人がいると思うから出版したい。そんあ微妙な欲のカラクリによって出版されるのがビジネス本なのだなあと。

 

実際、本を出した知人友人は全国での売り上げ動向と自分の手売りでいくらで売れるとか、増刷決まったら次の本が出るとか、いろいろなノルマをクリアしないといけなくててんてこ舞いでした。

この本にもある美崎栄一郎さん、存じ上げる限り、ご自身の著書の読書会にはよくいらっしゃってました。私もお会いしたことあります。特にご本人に興味がなかったので何か質問するとか、本についてお話を聞くとかまで至っておりませんが、読者から質問を受けながら、ニーズを探っているように拝見しました。

作家がマーケティングも営業も手がけるってことですね。

なんかそれ見た時、この本にもありましたが実務家がビジネス書を書いて専業になると現場を離れてしまうので要素が薄れる、初期作品の方が凝縮されているというご指摘はごもっともだなと。

 

んで、今のビジネス書の傾向としては、ますます短文章化、スローガン化してきていて、コンビニに置かれるような薄くて3分で読み終えそうな本がますます増えてきたというか。いわゆるアマゾンでも本買わないヤンキー層が、発泡酒と一緒にコンビニで買うっていうコンセプトな感じのものがますます増えて行くんではないかと。

ビジネス書古典の解説書を図解したもの、すでにコンビニに多いしね。

上流から下流へ、下流へ、要素を残しながら一般大衆にわかりやすいものが大量流通しているのを見ると、映画『プラダを着た悪魔』で、主人公が大量生産もののセーターをきていた時に、鬼上司から「あなたの着ているそのセーターのカラーは、一流ブランドが発表した3年前のカラーを焼き直して量産されるようになった色」的なことを言っていたのを思い出す。

 

この本自体は、それぞれの著書が自分の人生の下敷きにしてきた著書を紹介されているので、今何か本読みたいけど、誰かのオススメ聞きたいなー、という方にはオススメです。

あと、ビジネス書にハマってる方にも。

 

とはいえ私も多感な30代はどっぷりビジネス書漬けだったので、勝間和代さんの著書で人生を変えて今があります。そういった意味では大変ご恩のある1冊。

【読書】したたか勉強法|佐藤優

1日1冊目標に読んでおります。なので、新書のような薄い本が多い。

佐藤優氏の本はあまり読み込んだことがなかったので、1冊まるまる読んだのはこれがはじめてかも。ほら、だって、ハードカバーおおいから。重くて。

 

「したたかである」ということを、イギリスの【帝国時代】を記した学生向け歴史教科書を検証に出しつつ、今の阿部政権の動向まで織り交ぜて敷衍して解説する、という読み物としてもとても読み応えのある1冊。

 

どのようにしたたかにふるまうべきか

反知性主義にどのように対応するべきか

 

など、社会人として仕事をしている場合にも、仕事以外の場合にも人間関係でつまずいたりぶつかったり悩んだりすることは大なり小なりあるはず。そんな中で「事実を検証する」「敷衍して見る」「視点を変えてみた場合にはどのように見えるのか推察する」などの角度を備えておくと違うアプローチができるのではないか、という実践型の1冊でした。

 

前述した通り、安保法案を通すことに対して安部現首相がなぜそこまで躍起になるかという推察もあったりして、今旬の読み物という一面もありますので、ご興味ある方はこの時期にぜひ。SEALDsの本読むより面白いんじゃないかと思うよ(SEALDsよく知らんけど)

【読書】『美貌格差』『結局、女はキレイが勝ち。』

勝間和代「結局、女はキレイが勝ち。」

勝間さんが月1冊?もしかして3冊くらいのペースでガンガン本を出されていた時期の1冊。「断わる力」と同時期ぐらいじゃないかしら。

 

当時は「勝間さん、こんな領域まで来ちゃったか…」と思って手に取らなかったんだけども「読書で賢く生きる。」の対談で「勝間和代の本の中で一番出来がいい」と聞いてしまい、ついそのままアマゾンで購入。すんません、古本です。

cakes.mu

で、こちらはどんな内容だったかというと

・女に生まれてんだから小綺麗にしろ

・服装も「女性しかできない」ふんわりパステルカラーとか

・セミロングでクルクルするだけで印象変わるからまずはやってみろ

・化粧を侮るな

・でも美容費は給料の5%で止めておくべき

・結婚は出産のリスクも考えて35歳までにしろ

・資産も結婚もリスクマネジメントだ

・専業主婦なんてありえない、絶対仕事辞めんな

といった、勝間さんのビジネス本の中で繰り返し言われている内容の女子的な内容にフォーカスしたものを格言的に右ページへ、左手ページへその解説、といった3分で読める類のもの。

ただ、今となっては「立ち読みでもいいからなんで読んでおかんかった、勝間パイセンが身を張った体験談を我々に伝えてくれてたのになんで手にしておかんかった」という猛省に襲われます。今だから気がつくこと。

 

ただ正論ばかりなので「ですよねですよね、パイセンのいうとおりにします」

 

なんて思ってましたが、実際にはやっぱり生まれ持った素材が大事で、ブサイクがちと小綺麗にしたところで生涯年収は数ポイントしか上がらない、ということを証明してくれている書籍がこちら

 

「美貌格差 生まれつき不平等の経済学」ダニエル・S・ハーメッシュ/望月衛 訳

 

 

実際に美しい人とそうでない人の収入格差とその社会的利権の話が出ているのですが、「ああ、やっぱりな」という結果と、それ以前に生まれる「美醜の差」の原因には特に触れていないので、立つステージが違うところでそのステージにどうやっても行くこともできないという大前提、これは教育だったり学歴だったりとも同じなのでは?という感想を抱いてしまうのでした。

んでもって美しさに左右される職業の方は売春婦、弁護士、政治家、会社の重役、という人たちだと。意外に、「人に見られる職業」のモデルであったり俳優であったり、というところが比較対象として出ていないのが面白いな、なんて思っちゃったりしましたがショービジネスは比較しても均質な結果は得られようがないか…

「やっぱり美形の方が生きてくには得なんだぜ。でもそんな事実わかってたけどこれで明確になったから、あきらめもつくよな!とりあえずブサイクでも頑張っていきてこうぜ!」的な応援をじんわり感じる1冊なので、職場における若くて可愛い女子に追い立てられて心が荒んできているお局的立場の女性はさらりと目を通されることをオススメします。熟読は不要だと思うのでオススメしない。

 

おっさん三人の対談、今部屋に積ん読になってる。はよ読みたい。

 

生きる意味 上田紀行

1日1冊の課題で読み始めた本だけど、

自分の中で解決している内容なのか、問題視していない内容だったのかあまり頭に残っていない(笑)

 

同時進行で読んでいた佐藤優の「超したたか勉強術」では

ナショナリズムとユニオリスト、イギリスの歴史教科書にて「略奪」の経緯がかかれていない「したたかさ」を学べ、と表記されていたのが残っているんだけれども

そことなんとなく、自分の今の感情もふくめてリンクする感じ

 

時事ネタを入れてしまうと

SEALsの子達は「ナショナリスト」か「ユニオリスト」なのか、というところを、読む人の視点によっては違ってくるよな、ということ。

最近のフェスやよさこい、マルシェなど点在して開催しているけれどそこで開催するのが「よその人」や「よその文化」が多いっていうことが気になっていて「帰属する場所」として欲しているのかな、とはぼんやり感じているものの、欲している人たちだけがそのコミュニティに、自分の好きな形で参加できる「都合の良さ」を感じている。

 

お祭り参加したいけど、その町のお祭りにはご祝儀払わないよ、的な。

これは「物質主義」、ようはお金で解決できるから、僕はここまでしかしないのでお金払いません、という結果にも見えてくる。

 

この本の「内的成長」が「ダライ・ラマとの対談」の中で語られた「物質主義」へつながる内容になり「愛と慈悲」を考えることへのつながりになるので、「ダライ・ラマとの対談」を読むための下敷き本としても読むことはおすすめ。

 

 

【朝活】難民についてのお話を聞いてきたよ|朝活ネットワーク名古屋

毎週月曜日朝、MY CAFE名駅店で開催されている朝活ネットワーク名古屋に参加してきました。

 

各分野のスピーカーが登壇して、なかなかないその専門のお話を聞ける朝活です。

今回はタイトルにもあるように、NPO法人名古屋難民支援室の 羽多野 真帆 さんが難民を取り巻く現状をお話してくれました。

www.door-to-asylum.jp

もともと、この羽多野さんがスピーカーとして依頼をもらったのが2〜3ヶ月ほど前、なのでシリア難民がここまで話題になっていなかった頃です。

この朝活が開催された数日前に、ドイツにてシリア難民の支援が発表された直後。

会場は満席。

いろいろ興味深いお話もおおかったのですが、かなり印象に残っている幾つかを。

 

■日本での2014年度の難民認定者は11名

法務省:平成26年における難民認定者数等について

平成26年度の難民申請は5000人です。絶句しました。

1980年代のにニュースになったボートピープルが日本にやってきた時代も100人を超えることはなかった模様。

日本語もわからないまま、なんとか上記のNPOを頼って難民申請しても、0.1%にも満たない人しか申請がおりず、それ以外の人たちは、何年もかけて申請を繰り返し、その年の(チャンスは1年に1回…)認定を待つしかない。

自国民の雇用など労働・犯罪へを未然に防ぐ姿勢が慎重であっても、ちょっとこれは…という気持ちになりました。労働力低下に対して外国人労働者の受け入れ、移民などもニュースで話題になるけれど、日本という国は多分他の民族や文化と共生していくのは難しいんだろうなあと再度認識した次第。(否定的には捉えていませんが)

 

■同じ国からやってきた難民であっても、味方とは限らない

大きなものでは民族、宗教上、政治的思想の違いで「同じ国」出身であっても命の危険があり、同国の人と交われない、出身地を明らかにできない難民の方もいる、と初めて知りました。亡命先に選んだのが日本であって、国を出たからといって自由になれるわけではない。

 

■難民として日本にやってきても、日本に永住する人は少ない

これもまた悲しいことですが、日本に定住することを選択した難民は多くないとのこと。やはり独自の文化、独自の言語の中での生活は限界に近いようで、また他国へ旅立つようです。

ちょうど、このブログのインタビューの彼も、「早く平和になったシリアに帰りたい」と話していたのが印象的でした。

wsbi.net

 出たくなくとも出てしまった母国。多少なりとも、自分の生まれ育ってきた文化の匂いに近いところに帰りたくなるだろうな、という気持ちはわからないでもありません。

 

 UNHCRといえば、やはり緒方貞子さんの印象が強いところ。わたしも緒方さんのご活躍で、UNCHRを知りました。

緒方貞子―難民支援の現場から (集英社新書)

緒方貞子―難民支援の現場から (集英社新書)

 

 また、難民と亡命の違いもお話いただきました。亡命、というとどうしても高い地位にいる人が命を狙われて自国外に助けを求める、という印象がありますが、日本語のニュアンスによる違いのようで、法律的な扱いは同じものだそうです。

とはいえ、もう長いこと自国に帰れていないダライ・ラマのお話を前日に聞いて本を買ったばかりなので、またその点についても後日こちらで書こうと思います。