よみかき勘定

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【読書】大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる|高橋伸夫

「大学4年間が10時間でざっと学べる」シリーズ。

この春から経営学修士の大学院コースに通い始めたものの、フレームワークも財務諸表も全くわからず焦った上で手に取りました。

こういった行為を「泥縄」って言うんですよね、きっと。

大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる

大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる

 

本を開くと左半分が解説、右半分が図解でとてもわかりやすく、とっつきやすい内容です。大学4年間が、と言うのは多少誇張も入っているかと思いますが、経営学の入門編としてここから深く入っていけたらいいのではないかと。

 

読み進めるうちに気になったのが、この著書の先生のシニカルな物言い。

 

・「(NIH症候群が)世界中の研究者が誤解して引用しています」(論文ちゃんと読め的な発言) 

・「この現象は日本では発生しませんでしたが、多分、一般化するのは難しいでしょうねぇ。この程度のイノベーションを「破壊的」と訳すのもねぇ」

 

と、授業中のこぼれ発言のようなものがそのまま記載されてます。エディターさんもよく許したな。

 

そして、あとがきが秀逸でした。

本書を読み終えた読者は、どこか自虐的な雰囲気がただようことに気が付いたはずです。

 

自虐的に感じるのは、経営学の理論やモデルが、常にビジネスので世界やデータで検証され、修正されたり、否定されたりしていることを正直に紹介しているからです。しかし、そこにこそ進歩の芽があり、正しい理論やモデルの生まれる可能性があります。いち経営学者として、「今では科学的に否定されています」と書けることは、誇りに思いこそすれ、恥ずかしいこととは決して思いません。経営学はサイエンスなのです。それが大学の経営学です。

 

この経営学はサイエンスなのです」の一説を読んだだけでも、一読の価値があったなと思います。10時間どころか1時間でざっくり読めますので、興味あったけど結局とっつけなさそうで手に出してないかた、よかったらお手にとってみてみてくださいませ。

 

この高橋先生のこちらの本も、機会があったら読んでみたいと思います。

経営学で考える

経営学で考える